デスクワークは自分に合っていなかった。訓練学校に通っていた時から、いや、それ以前にテレオペで座りっぱなしの仕事をしていた時から、座り仕事、おかしい、何故、こんなに辛い・・・と感じていた。訓練学校はパソコンの授業だったので、通っていた間は歩いている時ずっとぐわんぐわんと頭が回って気分が優れなかった。それでも事務の仕事に就いてみたかったわたしは一度だけ事務関連の面接を受けたのだが、見事に落ちた。そのたった一度だけで酷く落ち込み、全くやる気を無くしてしまった。自分が何をやりたいのだろうかと真剣に考えた。やれる事しか考えていなかったわたしは、以前から少しだけ興味を抱いていた仕事の事を考えて見た。それが看護助手の仕事だった。
周りに相談すれば必ず止められる仕事。皆が良い顔をしないのは、下の世話が業務内容に入っていたからだろう。確かに排泄介助は経験のない自分にとってはとても勇気がいる仕事だ。でも仕事はそれだけではない。少しでも介護について学ぶ事が出来るのならやってみたいと思っていたのだ。今更看護師は無理でも助手なら自分でもやれるかもしれないと。わたしの背中を押したのは同じ学校に通っていた介護福祉士の女性だった。「楽しいからやってみなよ」と、経験者から押された言葉はわたしを十分に勇気づけたのだ。
福祉は大変な仕事かもしれないけど、どんな仕事であっても避けられない苦労があるならばデスクワークで味わうよりはよっぽど楽しいだろう。
年齢を重ねてみて、家庭の事情や世の中の混沌とした福祉について理解できるようになりました。みんなそうやって年齢にあった仕事を選んで行くのでしょうね。